正義連に寄付した韓国企業が恩を仇で返されて関係者大慌て 恐ろしい恩知らずぶりを発揮
現代重工業は2012年当時、慰安婦被害者を支援する社会的ムードが形成される中、10億ウォン(約8700万円)を社会福祉共同募金会に寄付した。「休養施設の設置費用」という目的に限定した指定寄付だった。同社は毎年40億-50億ウォンを寄付しているが、その半分をさまざまな団体、施設に指定寄付してきた。休養施設設置のための寄付も数多くの寄付活動の一つだった。
2013年初め、社会福祉共同募金会は現代重工業側に連絡し、ソウル市麻浦区の敷地を購入するのは難しいとして、京畿道安城市に予定地を変更する計画を通知した。寄付者である現代重工業は寄付目的と一致するのであれば、予定地の変更は問題ないと判断した。
ところが、正義記憶連帯(正義連)が共に民主党の尹美香(ユン・ミヒャン)次期国会議員(元正義連理事長)の知人から周辺の相場の3倍で安城市の建物を買い取ったことを巡るさまざまな疑惑が噴出し、現代重工業の寄付行為も話題に上っている。現代重工業の役員は「寄付当時には正義連が現在のような疑惑が指摘される団体ではなかったため、寄付も予定地移転も全く問題がないと判断した」と語った。現代重工業は慰安婦被害者を支援するために寄付金を出したにもかかわらず、正義連のせいで汚名を着せられた格好だ。
現代重工業をさらに慌てさせたのは尹氏の態度だ。窮地に追い込まれた尹氏は18日午前、ラジオ番組に出演し、安城市の建物を購入した理由について、「現代重工業が当初、(麻浦区の)博物館脇の建物(購入に必要な)予算策定を誤ったようだ」と発言した。現代重工業が拠出した資金が足りなかったせいにした形だ。
しかし、現代重工業が支出を渋ったわけではない。社会福祉共同募金会の内部規定で指定寄付金は原則として1団体につき年間10億ウォンまでと定められている。現代重工業は規定に沿って指定寄付金の最大金額を拠出したにもかかわらず、尹氏から「カネを出し渋る大企業」として攻撃されている。また、現代重工業は寄付金を拠出して以降、それを管理する法的権限もない。社会福祉共同募金会法に従い共同募金会が資金を受け取り、管理・運用することになっているからだ。
それでも現代重工業は今回の論争を関連し、積極的な説明を行えずにいる。大企業が与党所属の次期国会議員と事実を争うことはリスクが大きいからだろう。尹氏はそこを突いて、「現代重工業のせい」という主張をつくり出したのかもしれない。
2018年に韓国の500大企業が拠出した寄付金は3兆ウォンに達する。今回の一件を契機として、正義連のように誰かが巨額のカネを私的に流用していないか徹底的に調べ、不正を明らかにし、寄付金管理対策を立てなければならない。さもないと、カネを出しても納得がいかないことに巻き込まれかねないと懸念し、大企業が寄付に消極的な態度へと転換しかねない。
金康漢(キム・ガンハン)産業1部記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2020/05/24 19:48
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