原発ゼロを進めるドイツで、ついに深刻な「電力不足」が発生wwww
■厳冬期ドイツの電力不足
さて、今年の冬はそのドイツで不思議なことが起こった。
ドイツ全土で時計が遅れたのだ。テレビや食器洗い機などに付いているデジタル時計である。
こういう、コンセントにつながっている電気器具に内蔵されている時計は、電気の周波数を利用して時を刻んでいる。
ところが、本来、正確であるはずの周波数が落ちたため、時計が遅れてしまったという。
実は、私も自宅の電子レンジの時計が遅れていることに気づいて、もうすぐ電子レンジが壊れるのかと懸念したのだが、そうではなかったらしい。
数日で6分も遅れたというから、ラジオ内蔵の目覚まし時計などを使っていた人は、電車に乗り遅れても不思議はなかった。
では、なぜ、周波数が落ちたかというと、流れる電気の量が減ってしまったからだ。
なぜ、流れる電気の量が減ったかというと、電気が足りなかったからである。
電流が落ちると、電圧も周波数も下がる。それを一定の範囲に収めるために、電力会社は常に発電量を調節している。
ドイツは現在、2022年の原発ゼロに向かって原発を止めようとしている。
2015年6月に1基止めたのに続いて、去年の12月31日に2基目を止めたが、両方とも、産業の盛んな南ドイツの原発だ。
寒い国であるドイツでは、夏よりも冬に電力需要が増える。
太陽光の発電施設は多く、普段は太陽が照ると電気が余りがちだが、冬は陽があまり差さないので、ほとんど役に立たない。
さらに不都合なことに、冬は凪が多いので風力発電まで止まってしまうことがある。
厳寒となった今年は電気が足りなくなり、待機していた国外の火力まで総動員されたが、それでも供給はカツカツだった。
普段なら周波数の揺れなどすぐに調整できるそうだが、今回はそれどころではなかったらしい。
昔、私が子供だった頃は、急激な経済成長に電気の供給が追いつかず、ときに電球が揺らめいたことがあったが、現在のような高度な社会では周波数の揺れなど許されない。
電圧や周波数が不安定になると、精密機械が故障するし、緻密な製品にムラが出る。
メルケル首相は最近さかんに「EUの電力統合」ばかり言っている。
早い話が、EU国家間の送電線を強化して、電気のやりとりのパイを増やそうということだ。
これからさらに7基の原発を止めれば、電力不足が深刻になるのは想定済みなのだ。
■切羽詰まった東京電力
ところで、厳寒時の電気不足は、実は今年、関東でも起こっていた。
太陽光パネルには雪が積もり、その後も雪が溶けるまで発電はほぼゼロだった。
しかも、皆が暖房で電気を使う。まさにドイツの冬状態になってしまっていたわけだ。
東京電力の送配電会社「東京電力パワーグリッド」では供給がギリギリになり、他の電力会社から7日間、応援融通を受けたという。
また、各電力会社は一部の大型需要者との間に、供給が足りなくなりそうなとき使用を減らしてもらう、あるいは、使用時間をずらしてもらうという契約を結んでいる。
その代わり、電力料金を少し値引きしているそうだが、東京電力ではその要請を今年の冬は13回も行った。
契約では年間12回までだったが、それを1回オーバーした。それほど切羽詰まっていたということだ。
東京電力の管轄である首都圏で、供給が需要に追いつかないというような事態が数秒でも起きれば、何が起こるか?
まず、周波数が低下し始めると、広域のブラックアウトを防ぐため、緊急に一部の地域を送電線から切り離して停電させることになる。
それでも周波数の低下が止まなければ、発電機が故障予防の措置として自動的に停止し始める。
※記事を一部引用しました。全文はソースでご覧ください。
現代ビジネス 2018/04/27
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55478
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