米国高官の爆弾発言を『パヨクが完全に黙殺隠蔽する』喜劇が発生した模様。非常に困った立場に置かれた
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ボルトン氏は「米軍の台湾駐留」を提案した(ロイター)
米国はカーター政権下の1979年1月、中華人民共和国(PRC)と国交を樹立し、対日戦の同志だった中華民国とは断交した。中国大陸の支配権は49年から共産党に移っており、米国はついに、現実に屈服したのだ。
54年12月に調印した米台軍事同盟である「米華相互防衛条約」も、同じ時期に失効し、在台米軍は撤退する。あらゆる周辺国と衝突してきた人民解放軍が、いずれ台湾を軍事進攻することは確実と思われた。
だが、米国は台湾関係法を整備した。米軍駐留は終了するが、武器売却や沖縄などの在日米軍の力で、自由主義陣営である台湾を守れるようにしたのだ。沖縄(日本)はそれ以来、米国の台湾防衛政策に、片務的貢献を果たしてきた。
17日のウォールストリート・ジャーナル紙に、ドナルド・トランプ政権での国務副長官(日本で言えば外務副大臣)起用が取り沙汰されるジョン・ボルトン元米国連大使が、素晴らしい論文を寄稿した。台湾に再び米軍基地を設置して、沖縄の戦力の一部を移すべきという内容だ。
在日米軍基地が沖縄に集中した唯一の理由は、地政学上有利な位置に沖縄があるからだが、台湾は沖縄と同等か、それ以上の地政学的価値がある。
ボルトン氏の提言が実現すれば、沖縄の基地負担を減らしつつ、南シナ海や尖閣諸島周辺でのPRCの横暴を、今より効果的に牽制(けんせい)できる。
民主党政権の鳩山由紀夫元首相が無責任に言い放った「最低でも県外」を通り越し、国外移転が実現するかもしれない。在沖米軍基地への反対運動を行う勢力にとって、これ以上素晴らしい提言はないはずだ。
ネットで調べると、産経新聞、毎日新聞、時事通信、琉球新報などのメディアは、この提言を取り上げていた。
驚いたのは琉球新報の記事である。事実報道に徹しており、バイアスが感じられないのだ。立ち位置に困った揚げ句の観測気球かもしれないが。
在沖米軍基地を「諸悪の根源」のように報じてきた一部の新聞やテレビ局が、ボルトン氏の提言を報じた形跡は、ネット検索では見つからなかった。
その原因が、彼らの情報収集力不足のせいなのか、「報道しない自由」を行使した結果なのかは不明である。
沖縄の自然環境保護と、オスプレイなどの騒音や事故発生の危惧を理由に、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対してきた市民団体や、翁長雄志知事の口から、ボルトン氏を大絶賛する声が上がることを期待していたが、今のところ聞こえてこない。
複雑な心中、お察しいたします。
■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『いよいよ歴史戦のカラクリを発信する日本人』『やっと自虐史観のアホらしさに気づいた日本人』(いずれもPHP研究所)、『日本覚醒』(宝島社)など。
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