【悲報】有名ラノベ作家、ゲーム会社に就職した中学時代の同級生が主人公が酷い目にあうゲームを作り「主人公のモデルお前だから」と言われてしまう……
作家は基本的にみんな仲間だと思っているけど、例外もいる。創作の闇の面の話で非常に不愉快なエピソードだけど、どっかで吐き出してえなあと思ってたことなので、そっとツイッターに放流するのである。
— 真島文吉 (@ASCIIART_NOVEL) June 12, 2022
私はゲームが好きで、昔から金があればRPGを買い漁っていたんだけども、それを知っている中学時代の同級生が、ある冬の日に一本のRPGをきれいにラッピングされた箱に入れて送ってきた。同封された手紙にはテンプレート的な挨拶文。同級生はゲーム会社に就職してキャラデザだか脚本だかの仕事をしていた
— 真島文吉 (@ASCIIART_NOVEL) June 12, 2022
知人友人に自分の関わったゲームソフトを進呈しているという話だったが、いくら有名ハードでも相手が本体を持ってるかどうか分からないのにソフトだけ送りつけてくるというのもどうなんだと思った。私はハードは持っていたが、何となくプレイするのをためらった。件の同級生とは、良い思い出がない。
— 真島文吉 (@ASCIIART_NOVEL) June 12, 2022
ソフト自体は何らかの続きもので、物語は過去作と関係しているが、過去作を知らなくても問題ないというレビューを確認。パッケージの絵が少し素敵だったので、迷った挙句プレイしてみた。
ゲームシステムは面白いし音楽も世界観も好みだった。ただ、脚本がなんだか鼻についた。— 真島文吉 (@ASCIIART_NOVEL) June 12, 2022
主人公が無闇に辛い目に遭い、やることなすこと裏目に出て、誰も救えない。それに対して途中から登場したヒロインは強くて美人で、何をしても完璧で、誰にも咎められることなく、主人公をなじったり蹴ったりする。そしてヒロインを無視しては話を進められない。
— 真島文吉 (@ASCIIART_NOVEL) June 12, 2022
イベントで呈示される選択肢も、プレイヤーがヒロインを大事に思っている前提で組まれていて、ヒロインを守りきれなかったり見捨てたりするとゲームオーバーになったりバッドエンドになったりする。私は元々やり込み派だったので何周もして全エンディングを見たけれど、結局最後まで
— 真島文吉 (@ASCIIART_NOVEL) June 12, 2022
主人公は痛めつけられ、犠牲になり、ヒロインだけが幸せになった。趣味の悪いゲームだと思って、そのままゲームは片付けて、他のゲームを遊び始めた。
それから数年して、件のRPGの続編が出た。前作で結構ファンを得たようで、目にするCMの数を見ても売れ行き好調なようだった。
— 真島文吉 (@ASCIIART_NOVEL) June 12, 2022
同級生から手紙が来た。今度はソフトは同封されておらず、手紙だけが送られてきた。
「よう。新作のCM見た?ところで前送った前作の主人公、モデルはお前だから。新作には思い出話程度に登場するから感謝しろよな。死んじゃったから息してないけど」
— 真島文吉 (@ASCIIART_NOVEL) June 12, 2022
悲しいとか腹立たしいとかではこの時の感情を言い表せない。大人になっても何一つ変わっていない。最悪の気分にされた私はソフトケースに入れておいた前作を中古ショップに持って行った。
同級生は未だに物語を作っているし、件のシリーズは名作の仲間入りをしている。
— 真島文吉 (@ASCIIART_NOVEL) June 12, 2022
何かの拍子にシリーズの愛を語っている人を見たり、キャプ画を見たり、二次創作を見ると最悪の気分になる。みんなが「私」を哀れんだり唾棄したり、なんとか幸せにしようと足掻いている。こんな思いをしている人間が世界に何人いるだろう。
— 真島文吉 (@ASCIIART_NOVEL) June 12, 2022
絶対に許さないし、数少ない敵の作家として彼を見ている。主人公が私なら、ヒロインは彼の投影だろうか。そういえば私を蹴るあの仕草は、中学時代に見た覚えがあった。
— 真島文吉 (@ASCIIART_NOVEL) June 12, 2022
今だからちゃんとした体裁の文章で書けるけれど、当時は無理だった。ツイートにして供養してくれるわ。
— 真島文吉 (@ASCIIART_NOVEL) June 12, 2022