韓国LG化学にインドが天文学的な賠償額を求める意向を表明 米国・EUと同水準の補償を求める
インド南部のアンドラ・プラデシュ州で起きたガス漏れ事故で、インド環境裁判所は韓国LG化学の現地法人に対して5億ルピー(約7億600万円)の供託を命じた。
供託金は損害賠償に備えた措置で、州当局者は「欧州連合(EU)や米国で起きたときと同水準の補償を求める)と言明した。
事故は7日午前3時ごろ、韓国LG化学の現地法人LGポリマーズの工場で発生した。同工場はテイクアウト用カップのフタの素材であるポリスチレン樹脂を生産している。
有害物質のスチレンガスが流出して数キロ先まで拡散し、近隣住民ら少なくとも13人が死亡したほか、約1000人が入院した。住民らは目が焼けるような感覚と呼吸困難、嘔吐(おうと)などの症状を訴えたという。
韓国・中央日報によると、2日後の9日には事故の遺族ら住民約300人が責任者の逮捕や工場の閉鎖などを要求してデモ。
遺族の一部は犠牲者の遺体を担いで参加し、遺体は会社側への抗議の意味を込め数分間、工場の正門前に置かれた。一部の参加者は正門を乗り越えて工場内に侵入する騒ぎになった。
聯合ニュースによると、地元州政府はLG化学側に事故の原因物質を韓国にすべて移すよう指示。すでに8000トンが韓国行きの船舶に積まれた状態であるという。
LGポリマーズは「指示により、工場などに保管していたすべてのスチレンを韓国に移している」と明らかにした。
この工場はインド政府が新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)を開始した3月24日から閉鎖されていた。
ちょうど再開するところだったといい、警察当局はロックダウンで無人となった工場の容量5000トンのタンク内で化学反応が起こり、熱が発生してガス漏れに至ったとの見方を示した。
警察当局は毒性物質の管理を怠った疑いなどでLGポリマーズの経営陣の立件を目指し、捜査に着手した。
環境裁判所は供託命令と同時に事故原因を究明するため、5人で構成される真相調査委員会の設置を発表。委員会は事件発生の順序、発生原因と責任の所在、人命被害程度などの報告書を提出することになる。
環境規定違反の事実が摘発された場合、工場免許が取り消される可能性があるという。
東亜日報によると、LG化学は事故直後、内部に非常対策委員会を立ち上げ、被害者補償策などを準備している。辛学[吉吉]副会長ら役員も現地に向かった。
LGポリマーズは謝罪文で「事故の原因調査と再発防止策や治療などの全般的な措置に万全を期す」と約束した。
2020年5月15日(金) 11時20分
https://www.recordchina.co.jp/b805607-s0-c30-d0059.html