テレビ業界の下請け企業が世にも悲惨な有り様になっていると判明 政府の支援策を受ける暇さえない
「STAY HOME」のゴールデンウイークも後半。新型コロナ禍は日常を大きく変えた。テレビも本来なら4月改編のお祭り騒ぎや、新元号になって1年を振り返ったり、東京五輪を目前に盛り上がるはずだったが、再放送や再編集でしのぐ日々だ。
テレビの現場スタッフとも交流があるテレビコラムニストの亀井徳明氏は、「業界の構造上、仕方ないのかもしれませんが」と前置きしてこう続ける。
「テレビ局も、メディアの使命としてできることを精いっぱいやっていると思います。例えば、休業で生活できない飲食店主や、アルバイトができずに学費が払えない学生の窮状を報じていますよね。その報道を支えているのは、多くの小さな制作会社やフリーランスなんです」
日々忙しく動いている“下請け”の彼らには、政府が少しばかり用意した救済策の手続きをする時間もなかったりするという。テレビ誌ライターも、こう言ってため息をつく。
「それでも仕事があるうちは、まだマシな方で、ドラマやバラエティー番組などの制作がストップすれば、現場の収入もストップする。つまりテレビが報じている困窮している人たちと同じか、それ以上の問題がテレビの現場にもあるんです」
再放送でも再編集でもテレビの放送は続いているから、一般視聴者には見えにくいが……。
前出の亀井氏も「現場スタッフの窮状を思うと、今はテレビの表面的なことだけをあげつらう気にはなれません。ただ、その一方で、今だからこそテレビの存在意義が発揮できるし、復権のチャンスかもしれない」と、こう話す。
「外出自粛の今、テレビを見る機会が増えた人も多いと思います。スマホやタブレット、パソコンで個々に好きな動画を楽しむ流れに押されがちなテレビですが、家族や恋人や友人と、同時に同じモニターを見ながらあれこれ語れるのは、大きい画面のテレビだからこそ。
ネット動画のようにエッジの利いたことはできなくても、テレビはリアルタイムで手っ取り早く誰かと楽しみを共有できる。例えば日本テレビで時々再放送されるジブリ作品は、何度放送してもネット世代も盛り上がりますよね。見方や評価は個々の自由でいいけれど、みんなで同時に楽しむ、語れるというのが、今のテレビの役割だと思うんです」
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