中国政府の映像偽造疑惑が英大手紙にも掲載されたと判明 無理やりな設定で恥の上塗り
中国政府が新型コロナウイルス事態で自分たちの「実績」を宣伝するために映像を偽造したという疑惑が提起されたと、英紙フィナンシャル・タイムズが3日付で報じた。
問題の映像は、イタリア・ローマの住民がアパートのバルコニーに出て、拍手して歓呼する姿が含まれているが、2つのバージョンがオンラインに流れた。イタリアのメディアが報道した映像は、背景に鐘の音と男性の歌声が響き渡るが、別のバージョンの動画では、中国国歌が流れる。これに先立ち、中国はイタリアに医療スタッフと医療品を支援している。
中国外務省の華春瑩報道官は先月15日、「イタリア人が中国の国歌を流して『中国ありがとう』を叫んだ」とし、ツイッターに動画を共有した。人民日報など中国メディアはこの動画を大々的に報じた。
しかしフィナンシャル・タイムズが専門家と動画を分析した結果、中国の国歌が出てくる動画は編集してつぎはぎした可能性が高いことが分かった。この動画は最初の15秒間、イタリアのメディアが公開したのと同じ背景が出てきて、突然別の場所で男性がイタリアの医療スタッフに感謝のメッセージを送る場面に切り替わる。別の時間、別の場所で撮影された場面に変わった後も、中国の国歌はまるで一つの空間で流れるように続いた。映像が撮影された日、「中国ありがとう」と叫ぶ男性が登場した建物の下の階の住民は、当時中国の国歌は聞こえなかったと同紙に明らかにした。
イタリア国際問題研究所のナタリー・トーチ所長は、「中国に対する批判世論が大きくなる状況で、欧州内の新型コロナウイルスの被害が最も大きなイタリアは、中国に対する否定的な世論を反転させるのに最適の対象だったのだろう」と分析した。