緩みきった韓国人が防疫努力を完全放棄して感染第2波は不可避 あまりの光景に日本側はドン引き
総選挙前日だった14日、ソウル市中区乙支路(ウルチロ)3街の「ビール横町」。英語の「hip」(ヒップ=流行に明るい)との合成語で「ヒップ支路」(ヒップチロ)と呼ばれるこの地域では、午後7時ごろからビアホールのテーブルが20-30代の若者でいっぱいになり始めた。2時間もたたないうちに、この地域の看板店「マンソン・ホップ本店」の1・2階計100席は満席に。近くにある別のビアホールでも楽しそうにビール・パーティーが開かれていた。客らはすき間がないほどピッタリとくっついて座り、ビールを飲み干した。席に座るには、これらの人々の間に割って入らなければならない。合い席をしようとする人も見かけた。2メートル間隔の「ソーシャル・ディスタンス」(社会的距離・感染防止のため人と人の間に距離を取ること)は見る影もない。通りを挟んで反対側にあるビアホール3店も同じだった。会社員のチョンさん(30)は「明日は(総選挙で)休日だから遊びたいけれども、江南や弘大まで行ってもクラブは閉まっているから行けない。職場の近くで友達と酒の肴(さかな)をつまみながらビールでも飲もうと思ってやって来た」と言った。路地のあちこちから「何名様ですか」「お2階へどうぞ」という店員たちの声が聞こえてきた。
韓国で新型コロナウイルス感染者が初めて発生してから90日近く経ち、ソウル市内の繁華街は「新型コロナウイルス発生前」に戻りつつあるようだ。専門家らの警告にもかかわらず、一日の感染者数は最近14日間連続で2けたにとどまり、緊張感が緩み始めているのだ。特にソウル市が今月8日から同市内全域でナイトクラブなどの遊興飲食店や接待を伴う飲食店を休業させると、人々は休日前夜に人気ビアホールや居酒屋が立ち並ぶ通りに集まった。新型コロナウイルス感染症予防のための「ソーシャル・ディスタンス」原則は同日の夜の街ではほとんど見られなかった。
乙支路で印刷所や家具店などを経営する自営業者たちは「数日前から夜になると新型コロナウイルスを警戒する雰囲気が見られなくなってきた」と口をそろえる。ビール横町で13年間にわたり印刷所を経営している50代の社長は数日前、店の入り口のシャッターに「ここはタバコを吸う所ではありません。たばこの吸い殻を捨てないでください」というポスターを3枚、自ら印刷して貼った。この社長は「午後6時30分ごろ店を閉めるが、みんなこっちに歩いてくる。翌朝はいつも店の前がタバコの吸い殻や痰(たん)まみれになっている」とため息をついた。「サンヒョン製本」を経営するチェさん(62)も「酔っぱらいが店の前の植木鉢に吸い殻を差し込んでいくので、植木鉢が『吸い殻入れ』になった」と嘆いた。
ソウル市竜山区梨泰院も状況は同じだ。「ナイトクラブ」「ラウンジバー」という商号を掲げた大きな遊興飲食店は閉店しているが、一部の営業している店や居酒屋は客でいっぱいだった。
居酒屋や飲食店の中には客引き行為のため「ナイトクラブのようなムード」を出そうと工夫していた。この地域にある鶏足専門店は客が入るたびにマイクを持った店員が「いらっしゃいませ、9番(テーブルに)ご案内いたします」「今日もお越しいただきありがとうございます」と大声で言い、リクエスト曲も受け付けている。まるでライブハウスのような雰囲気で、グループで来ている女性客4人が肩を揺らしながらダンスをする光景も見られた。
店を開けたラウンジバーもあった。同日夜11時ごろ、あるラウンジバーでは男女2-3人が肩を寄せ合って座り、水タバコ(shisha)を吸っていた。ドアの前には「体温チェックと手の消毒を実施している」という告知文が掲示されていたが、チェックする店員はいなかった。30-40坪ほどのこぢんまりとした店内に座っている客たちは水タバコの器具につながる1本のホースを数人で回しながら吸った。ホースの口に差し込んで使う、交換用の小さな吸い口がいくつかあったが、面倒なのか1つで2-3人が吸う姿も見られた。この店の外国人店員はマスクをせずに注文を取っていた。
ソウル市の関係者は「ビアホールは取り締まり対象ではなく、ラウンジバーは直接見て回ったが、一部は大きな問題がないと判断した」と語った。
チョ・ユミ記者
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/04/16/2020041680126.html
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2020/04/16 15:00