中国製検査キットの低性能に英国政府が激怒していると判明 代金返却を求める強硬姿勢を顕に
<自国のコロナ危機を脱した中国は、イメージ回復のため他国にコロナと戦う医師や医療品を支援しているが、欠陥品も多い>
イギリス政府は、中国から購入した新型コロナウイルスの検査キットについて、数百万個分の代金の返金を求める方針。製品調査により、大半の患者のケースで信頼性が得られないと判明したためだ。
イングランド公衆衛生庁(PHE)のコロナウイルス検査プロジェクトで調整役を務めるジョン・ベル教授が4月6日に語ったところによれば、問題の抗体検査キットは、重症に分類されない患者、つまり大半の検査対象者に関して、結果に信頼がもてないという。
オックスフォード大学の研究者であるベルは、ブログ記事のなかで次のように説明している。「残念ながら、これまでに検証した検査では、じゅうぶんな性能が得られなかった」。さらに、次のように続けている。「多くの偽陰性が見られ、偽陽性も確認された......これは、検査の供給側にとっても我々にとっても、良い結果ではない」
イギリス政府は3月、おもに中国から、抗体検査キット350万個を購入した。「デイリー・テレグラフ」紙によれば、英国の企業を含む9社に、キット1750万個の仮注文を出していたうちの一部だ。だが、いずれについても、大規模検査を開始するだけの信頼性は得られなかったとベルは述べている。
<欧州諸国からも苦情が>
PHEのシャロン・ピーコック博士は、指先を針で刺して出た血液だけで検査できるキットを「ゲームチェンジャー(形勢を逆転させるもの)」と持ちあげていた。この検査では、すでにウイルスに対する免疫ができている人を確認することができる。そうした人をロックダウンから解放し、職場復帰を許可できるようになれば、徐々に社会も正常化するのではないかと期待されていた。
ピーコックは当初、数日以内に検査を開始すると話していたが、検査キットの明らかな不具合により、イギリス国民はさらに長い待ち時間を余儀なくされることになる。とはいえ、政府の主席医務官を務めるクリス・ウィッティは6日、信頼できる検査がいずれ開発されると確信していると語った。イギリス政府は今後、不適切な装置に対する返金を求めていくことになるとテレグラフ紙は伝えている。
イギリスは現在、COVID-19感染拡大の「カーブを平らに」しようとしている段階にあり、少数の例外を除き、国民には外出禁止令が出されている。一方、3月の検査で陽性と判定されたボリス・ジョンソン首相は、6日に病状が悪化したのち、ロンドン市内の病院の集中治療室に入院している。
欧州諸国では、中国から入手した医療関連製品の性能に対する苦情が相次いでおり、イギリスはその最新事例だ。国内の流行が抑制されたように見える中国は、目下ウイルスと闘っている世界各国を支援する方向に転換しつつある。中国政府は欧州や北米などに、医師や大量の物資を送っている。だが、スペイン、オランダ、チェコといった国はいずれも、欠陥やそのほかの不備があるとして、中国企業が提供した大量の医療関連製品の受け取りを拒んでいる。
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