中国人がコロナとは別のウイルスに感染して3時間で死ぬ悲劇が発生 当初は武漢コロナだと思われていた
新型コロナウイルスの流行のピークを過ぎたとみられる中国では、先月23日、雲南省から出稼ぎに出た労働者が、ネズミが媒介する「ハンタウイルス」に感染し、発症後わずか3時間あまりで死亡する事件があった。同僚2人も感染の疑いが持たれている。
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ハンタウイルスに感染した患者の幹細胞(CDC)
ハンタウイルスの歴史は古く、第二次世界大戦中に旧日本軍が中国東北部の満州国に進駐した際、原因不明の出血熱が流行した記録が残っているほか、朝鮮戦争のときには国連軍の兵隊の間で約3200人が原因不明の出血熱に感染したことで注目された。
その後、韓国の研究者が1970年代に流行地のアカネズミからウイルスを突き止め、捕獲した川の名前をとって「漢坦(ハンタン)病毒」と命名した。
日本では
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ウイルスはネズミが媒介する(CDC)
雲南省臨滄(リンツァン)市の健康委員会によると、先月23日午前4時ごろ、高速バスに乗って出稼ぎ先の山東省栄成市の水産加工食品会社に向かっていた男性が、陝西省寧陝(ニンシャン)県で発熱や呼吸困難などの症状で救急搬送されたが、そのわずか3時間後の午前7時10分に急死した。
当初、新型コロナウイルスの感染が疑われたが、PCR検査は陰性で、ハンタウイルスに感染していたことがわかった。この男性に同行していた2人にも熱が高いことから感染の疑いが持たれているほか、高速バスに乗っていたドライバーや乗客30人が健康観察を受けているという。
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ハンタウイルス心肺症を引き起こすウイルスの電子顕微鏡画像(CDC)
国立感染症研究所によると、日本でも1970年代半ばから、各地の医学系動物実験施設で、ラットを取り扱っている研究者の間で原因不明の熱があいつぎ、1984年までに127人が感染、うち1人が死亡しているが、国内ではそれ以降は患者発生の報告はない。