東京五輪の延期観測で韓国企業のマーケティング戦略が水の泡 見事に自滅しつつある
https://i.imgur.com/ZdVb6pc.jpg
https://i.imgur.com/9Hk7fNl.jpg
日本が初めて東京五輪の延期の可能性に言及したことで、韓国国内の電子企業各社がほろ苦い思いをしている。新型コロナウイルス感染症によって五輪まで危ぶまれ、統制が不可能な状況に陥っているからだ。サムスン電子、LG電子などの企業は、東京五輪が実際に延期されれば今年のマーケティング計画と事業計画の見直しが避けられない状況だ。
サムスン電子は東京五輪の複数の公式スポンサーのうちの1社だ。国際オリンピック委員会(IOC)によると、今回の東京五輪で公式スポンサーシップを締結した企業は計80社。このうちサムスン電子は韓国の企業としては唯一、東京五輪の公式スポンサーシップを締結している。サムスン電子はまた、コカ・コーラ、トヨタ、インテル、アリババ、パナソニック、VISA、GE、Airbnb、オメガなど計14の企業と共に、五輪の最上位スポンサーシップであるワールドワイドオリンピックパートナーになっている。それだけ五輪開催によって享受できる広報効果が大きい。サムスン電子は2018年、五輪公式スポンサー契約期間を2028年まで延長することをIOCと決めた。
当初、サムスン電子とLG電子は東京五輪にかける期待が大きかった。世界最大のスポーツイベントを通じ、日本での市場シェアを拡大することができると考えたからだ。特にサムスン電子は高速通信規格「5G」を筆頭にスマートフォン「ギャラクシーS20」と「ギャラクシーZフリップ」の大々的なマーケティングを進める予定だった。日本のNTTドコモが今月25日から5G移動通信サービスを開始し、27日にはソフトバンクも5Gサービスを開始するため、それに合わせて5G対応スマホの販売台数を増やす戦略だった。
サムスン電子の日本でのスマートフォン市場シェアは、他国に比べて相対的に低い。日本のMM総研(MMRI)によると、昨年の日本のスマートフォン市場ではアップルがシェア47.4%で1位だった。シャープが13%、サムスン電子は9.1%だった。アップルは今年の下半期になってから5G対応スマホを発売する予定で、サムスン電子は日本の5G時代の幕開けと五輪を契機とした日本市場の攻略を準備していた。IT業界の関係者は「しかし五輪が実際に延期されればこうしたマーケティング戦略は水の泡だ」と話した。
LG電子も同じだ。LG電子は現在、OLED(有機発光ダイオード)で日本のテレビ市場を攻略している。LG電子は東京五輪がテレビの需要を拡大すると期待していた。実際に大型スポーツイベントが実施される期間にはテレビの販売台数が増えるからだ。グローバル市場調査企業のIHSマークイットは今年初め、東京五輪のようなスポーツイベントによって、今年はOLEDディスプレーパネルの需要が昨年より50.5%増加するとの見通しを示した。
テレビメーカー各社はまた、今回の東京五輪を契機として8K(超高画質)テレビ市場が本格的に幕を開けると期待していた。NHKが8Kによる全試合生中継を決めていたからだ。これを通じて、不足していた8Kコンテンツが増え、8Kテレビの購入を考える消費者が増えるとみていた。しかし、五輪の延期の可能性が取り沙汰され、「五輪特需」はもう終わりだとの話が出ている。テレビ業界の関係者は「五輪を狙って攻撃的なマーケティングを準備していたが、日程に狂いが生じたためこの戦略を修正しなければならない」として「期待したほど五輪特需が起きない可能性もある」と話した。
キム・ソンミン記者
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/03/23/2020032380291.html
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版 2020/03/23 20:23