プロ市民という言葉に新聞記者が過激すぎる反応を見せて自爆 広まると都合が悪いと自白している
[大弦小弦]「プロ議員」と自治
「プロ市民」という造語がある。自称愛国者たちがよく使う。「市民を名乗る職業的な活動家」という非難を込める
▼「自治基本条例に反対する市民の会」の村田春樹会長もこの造語を駆使し、「市政に外国人を含むプロ市民が介入」「日本乗っ取り」と危機をあおる。全国で条例廃止を求めていて、先月石垣市で開いた講演会には与党市議もいた
▼その市議たちによる条例廃止の提案。直伝なのか、理由も「外国人が市民になる」。理屈は怪しい
▼地域で暮らし納税の義務を負う外国人が行政に参画し、サービスを受けるのは当然のこと。一方、現段階で参政権はない。石垣の条例は住民投票参加を日本国民に限る。「乗っ取り」などあり得ない
▼地方自治法の「住民」の定義も外国人を含む。外国人排除のために自治基本条例を廃止するのは法に反するし、何より明白な差別である。石垣は在日コリアンへの深刻なヘイトスピーチ事件があった土地。外国にルーツを持つ市民を守るため、差別を犯罪とする条例を制定した川崎市の対応とはあまりに落差がある
▼石垣の自治基本条例は市民、議会、役所がいわば「プロ」として自治を向上させることを目指す。全国的な排外主義運動に初の条例廃止という「成果」を差し出すことが自治なのか。きょうの採決で「プロ議員」が問われる。(阿部岳)
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/511082
阿部 岳(あべ たかし)
沖縄タイムス社編集委員
1974年東京都生まれ。
上智大学外国語学部卒。97年沖縄タイムス社入社、政経部県政担当、社会部基地担当、フリーキャップなどを経て現職。
著書 国家の暴力 現場記者が見た「高江165日」の真実(朝日新聞出版)。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/70787
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