「日本にも労組はあるが、韓国は理解できない」と米国の超優良企業が愕然 韓国だけに起きる異常事態だ
「全世界40カ国余りに支社を置いているが、韓国だけで起きていることだ」--。世界的な動物用医薬品メーカー、ゾエティスの韓国法人のイ・ユンギョン代表は12日、本紙の電話インタビューにそう答えた。
米国に本社を置くゾエティスは動物用医薬品業界の世界最大手で、ペットの犬糸状虫寄生予防薬「レボリューション」などで知られている。米フォーブス誌の「米国最高の職場150社」に今年まで4年連続で選ばれ、米ワーキングマザーマガジンが発表する「ワーキングマザーが働きやすい企業100社」にも含まれている。
しかし、同社が2013年に設立した韓国法人は労組のストライキ、会社側の職場閉鎖などで深刻な労使対立に直面している。韓国ゾエティスの社員は58人だが、うち27人は全国民主労働組合総連盟(民主労総)に所属する労働組合員だ。
労組は7日、国会で記者会見を開き、「会社側が労組活動を弾圧している」として、雇用労働部に特別勤労監督を要求した。労組は「会社側が今年の賃金団体交渉の過程で労組活動のためのタイムオフ制(勤労時間免除制度)の限度拡大を拒否し、逆に半分以上削減することを要求した」「世界的企業でありながら、『韓国では現地社員を無視してもよい』という考え方を持っている」などと主張した。
労組活動をすれば、会社が賃金を支払わないのは原則だが、現行法は一定限度までは労組活動をしても勤務時間と認定し、賃金を支払うタイムオフ制を設けている。労組員が99人以下の会社では年間最大2000時間まで可能だ。韓国ゾエティス労組は「これまでの1200時間から上限(2000時間)まで延ばすべきだ」との立場で、会社側は「500時間に短縮したい」として対立している。
6月の一部組合員(18人)がストライキに突入し、会社が職場閉鎖で対抗したことから、対立が深刻化しており、個人による単独デモが相次いでいる。労組は「組合から脱退した一部社員の昇進を取り消せ」との要求も突きつけている。同社関係者は「日本法人の代表が『日本にも労組はあるが、韓国は理解できない』と言っていた」と漏らした。
会社側は「同規模の医薬品業者は普通500時間に定めている。社員が50人余りの企業で2000時間まで認めろというのは無理な要求だ」として、労組側を説得している。
チュ・ヒヨン記者
ソース:朝鮮日報/朝鮮日報日本語版<米国で「最高の職場」に選ばれた企業、韓国では労組に苦労>
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/11/13/2019111380005.html