米国の爆弾発表に中国当局側が驚愕して慌てて対抗措置を検討　米中対立の激化は不可避

　　中国国有企業は米国産農産物の輸入を現在停止し、貿易交渉の進展を見守っている。メディアに対して発言する権限がないとして関係者が匿名を条件に語った。中国商務省にファクスでコメントを求めたが応答はない。

　　トランプ大統領は１日、中国製品3000億ドル（約31兆8000億円）相当に対し９月１日から10％の関税を新たに課すと発表。米中貿易協議再開の直後に唐突に緊張をエスカレートさせた。交渉に関わっていた中国当局者らによると、中国側はトランプ大統領の発表に驚愕（きょうがく）。中国政府は米国が追加関税賦課を強行するならば対抗措置を講じると発表した。

ＩＮＴＬ・ＦＣストーンのアジア商品部門のシニアアナリスト、ダリン・フリードリックス氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「農産物輸入は中国が米国への圧力として使えるてこだ。これは米国の農民と、トランプ大統領への支持者が多い農村部の有権者に影響する」と指摘した。

　　トランプ大統領はかねて、中国が米国産農産品を「大量」輸入してくれないと不満を漏らしていた。大阪での20カ国・地域（Ｇ20）首脳会議で機を捉えて習近平国家主席と会談した際に習主席が大量輸入を約束したとトランプ大統領は主張している。貿易摩擦の悪化を受けて中国の買い手はブラジル産大豆を購入していると、状況を知る関係者が述べた。

　　フリードリックス氏は「私が中国の農産物輸入会社だったら今は非常に神経質になる。民間の輸入業者も多くが米国産の購入を控えるだろう」とも話した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-08-05/PVQSFL6KLVUH01
ブルームバーグ 2019年8月5日 11:33 JST 更新日時 2019年8月5日 13:48 JST