「韓国の産業を守る超高関税が撤廃されそうだ」と韓国側が憂慮 513%が154%にまで激減する
トランプ大統領の主張通りに世界貿易機関(WTO)で韓国の開発途上国の地位が剥奪された場合、打撃を受けるのは農業分野だ。WTO体制では先進国と開発途上国を分類する際、各国それぞれの選択を加盟各国が暗黙的に同意する方式を用いるが、韓国は農産物分野を除く分野では開発途上国の地位を主張しないという条件で、開発途上国にとどまっている。アジアでは韓国以外に中国、香港、シンガポール、台湾などがWTOで開発途上国に分類されている。
開発途上国に分類されれば、自国の農業を保護するために輸入農産物に高い関税をかけたり、国内の農産物に補助金を支給したりすることが容易だ。そのおかげで韓国はコメ、ニンニク、トウガラシ、ゴマといった農作物に300-600%の高い関税をかけることができる。しかし、先進国に分類されれば、高率の関税をかけることはもはや難しくなる。新たな多国間協定であるドーハ開発アジェンダ(DDA=ドーハラウンド)の案によると、韓国が先進国になった場合、コメを「センシティブ品目」として保護しても、現在513%である関税率を393%に引き下げなければならない。一般品目にまで緩和すれば、関税が154%まで低下する。
農業補助金の支給基準も現在より複雑になる。国会予算政策処によると、韓国が財政支出や租税支出(税金減免など)で支出する農業補助金は年間11兆ウォン(約1兆100億円)に達するが、先進国になった瞬間、その相当部分を削減しなければならない。これについて、韓国農林畜産食品部は27日、説明資料を発表し、「米国はWTO加盟国が現在享受している開発途上国への優遇を放棄しろと言っているのではなく、ドーハラウンドは加盟国の立場の差から交渉が10年以上中断している。現在適用されている農産物関税や補助金は次期農業交渉妥結までそのまま維持される」と指摘した。WTOに代表される現在の多国間貿易体制で、韓国の農業分野における開発途上国の地位は容易には揺るがないという意味だ。
しかし、WTOとは別に米国が個別の国を相手に二国間交渉を行ったり、WTOへの提訴などを通じ、独自の規制に乗り出す可能性は残されている。トランプ大統領は「WTOが90日以内に開発途上国の優遇撤廃問題を進展させられなければ、個別国に対する開発途上国の待遇を一方的に中断する」と表明した。対外経済政策研究院のソ・ジンギョ氏は「開発途上国卒業に備えた徹底した対策とともに、農産物の直接買い取り制度など補助金制度の改善が必要だ」と指摘した。
チェ・ギュミン記者
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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/07/29 10:40