「日本はなぜ突然、稚拙な行動に出たんだ?」と韓国が慌てふためく 真剣勝負だけは避けないと
韓国と日本がルビコン川を渡っている。日本が取り出した対韓国輸出規制が両国間に後戻りできない経済紛争を呼び起こす雰囲気だ。輸出規制品目は韓国半導体・ディスプレー産業の必須素材であり、日本が世界市場で70-90%のシェアを握っている。日本経済産業省は「韓国が徴用問題に対する解決策をG20(主要20カ国・地域)首脳会議までにまともに提示せず、両国間の信頼関係が損なわれた」と主張した。強制徴用判決に対する報復性の措置であることを明確にしたのだ。日本政府は2000年代、自国を代表する企業がサムスン電子に対応できず次々と不渡りを出した時も、このような報復カードを取り出さなかった。
その日本がなぜ突然、稚拙な行動に出たのか。その内心を知ってこそ、今後長期化する可能性が高い韓日経済戦争に対応できるのではないだろうか。日本が急変したのは韓国に対する基本的な立場の変化から出発する。「価値を共有する国」から「ないと考えてもよい国」への転換だ。雷管に点火したのは文在寅(ムン・ジェイン)政権に入って始まった反日ムードだ。昨年10月、韓国最高裁は強制徴用に対して被害者1人あたり1億ウォン(約930万円)の賠償判決を出し、戦犯企業に対する資産差し押さえを認めた。日本政府は反発している。潜在的な強制徴用被害者は20万人という見方もある。日本政府が賠償に応じれば黙っていた中国被害者も加勢し、手に負えない事態になるという心配のためだ。
結局、この争いは長引く可能性が高い。何よりも日本の内閣は韓国に対する強硬派が勢力を強めている。安倍晋三首相はもちろん麻生太郎副首相までが歴代最強硬派だ。日本を訪れた文大統領との冷たい「8秒の握手」が予告したように、安倍首相の在任中には制裁は緩和されにくい。1カ月前に東京で会った日本のある有力者は安倍首相の内心をこのように伝えた。
「2013年春に安倍首相と一緒に運動をする機会があった。私は安倍首相に『韓国を重視しなければいけない』と話した。安倍首相はすぐに反論した。『私はむしろ中国を信頼する。中国は一度決めれば確実に守る』と話しながらだ。安倍首相の考えは今も変わらない。韓国は1965年の韓日請求権協定ですべての賠償を終えることにし、5億ドルを受けて経済を興した。ところが今回は個別的請求権を要求している。国際法を守らない国とは交流できないというのが日本政府の雰囲気だ。安倍首相だけの考えではない。韓国はないものと考える雰囲気だ」。
安倍首相の任期は2021年9月までだ。ところが3選を越えて2024年9月まで4選も可能だという見方が出ている。2013年に始めた「アベノミクス」が成果を出して支持率は安定的だ。中国やロシアなど周辺国でストロングマンの長期政権が続く状況で、安倍首相もロングランするのがよいという共感が形成されている。本当の問題は日本人の韓国に対する認識もそれほど変わらないという点だ。最近会った日本の外交官の話はこうだ。
「日本は中国に世界経済2位を譲り、地位が以前ほどではない。しかも韓国の地位は非常に高まった。サムスン電子のような韓国企業は世界的な企業になった。最近、日本の若者は世界に広がる韓流まで眺めながら韓国をライバルと見ている。過去の世代は韓日協定当時、韓国を助けるべき被害者と見なしたが、今はそのように見る人が多くない」
日本の報復カードはこのような事情が重なった結果だ。強制徴用賠償判決は泣きたいところに叩かれる契機だった。こうした事情を考慮すると、韓日両国は最悪の対立状況を避けにくいとみられる。韓国政府は積弊の清算と同時に反日をあおりながら過去を自らの足かせとした。これ以上妥協の余地がないとみる日本は、自国企業の輸出減少にもかかわらず、韓国をないものとみて経済戦争の剣を抜いた。真剣勝負だけはどうにか避けなければいけない。
2019年07月03日08時06分 [中央日報/中央日報日本語版]
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