サヨク絶賛の北欧モデルが現実に敗北して崩壊寸前だと判明 次の選挙でトドメを刺されるフラグ
平等なユートピアを模索する世界中の多くの人々にとって、北欧型の福祉国家モデルは、長年のあいだ憧れの的だった。だがこのところ、その北欧モデルに軋みが生じている。人口高齢化を受けて、北欧諸国の政府は何年もかけて、「ゆりかごから墓場ま式の寛容な福祉国家を少しずつ骨抜きにしてきた。苛立った有権者が「もうたくさんだ」と声を上げるなかで、デンマークで6月5日に予定されている選挙が1つの転機になるかもしれない。デンマーク国民は、他の北欧諸国の市民たちと同様、世界でも最も高い部類に入る税金を喜んで納めてきた。全国民を対象とする医療、教育、高齢者介護サービスのために、払う価値のある代償だと考えていたからだ。だが、公的債務削減のために歴代政権が支出を削減してきたことで、かつては無料だったサービスを自費で負担しなければならない人が増えてきた。
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こうした福祉国家のほころびは、今回実施されるデンマーク総選挙でも最重要の争点となっている。この国では、個人所得の平均36%を毎月国家に納めているのだ。世論調査によれば、自由党のラスムセン首相が中道左派の社会民主党のメッテ・フレデリクセン氏に敗れ、政権を失うことが予想されている。フレデリクセン氏の社会民主党は、公的支出の拡大、増税を通じた企業・富裕層による福祉サービスの費用負担の拡大、40年働いた人の早期退職を認め、近年の段階的な年金改革の一部を撤回するといった公約を掲げて大衆的な支持を獲得している。だがラスムセン首相は、「夢を売り歩いているだけ」とライバルを批判する。今年初めに行われたテレビ討論で、ラスムセン首相はフレデリクセン氏の年金政策について、「大勢の有権者を失望させるか、国庫に大きな穴を開けるか、どちらかになる」と指摘した。
<進む民間頼み>
「北欧モデル」は、世界中の左派政治家や活動家の多くから、福祉国家の模範として称賛されてきた。例えば前回の米大統領選では、民主党大統領候補に名乗りを上げたバーニー・サンダース氏が、米国の理想的な未来のビジョンの手本としてデンマークを挙げた。だが、デンマークが直面している厳しい選択は、ベビーブーム世代が徐々に退職年齢を迎えている他の北欧諸国でも見られる。
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https://jp.reuters.com/article/denmark-election-welfare-idJPKCN1T114H