文議長の大暴言の情けなさすぎる裏事情を専門家が暴露 冷たい関係から腰巾着に変身していた
韓国国会の文喜相(ムン・ヒサン)議長による常軌を逸した暴言が、日韓関係をさらに悪化させている。米メディアのインタビューで、文氏は「(慰安婦問題は)天皇陛下による謝罪の一言で問題が解決する」「(陛下は)戦争犯罪の主犯の息子」などと語ったのだ。安倍晋三首相も12日の衆院予算委員会で「甚だしく不適切」「韓国側に強く抗議し、謝罪と撤回を求めた」と語った。異常な発言の背景と対策について、ジャーナリストの室谷克実氏が迫った。
文氏の暴言は、米通信社ブルームバーグが8日、インタビュー記事で配信した。慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」という「日韓不可逆合意」の完全な無視だ。しかも、「天皇陛下の謝罪」を挙げたのだから、日本のネットが大炎上するのは当然だ。
しかし、文氏は訪問先のワシントンで11日(現地時間)、「韓日両国間の不必要な論争を望んでもおらず、起きてもいけない」と述べたという。放火犯が消防団長になった顔をしたのだ。この変わり身の早さ、国際合意への無理解、この人材にして国会議長…。思えば、すべてが「ディス・イズ・韓国」ならではのことだ。
文氏は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で初代の大統領秘書室長を務めた。このポストは本来、大統領府のナンバー2であるのと同時に、政権ナンバー2だ。実質的な権力は首相をしのぐ。ところが、東亜日報(2003年5月27日)に「大統領府のナンバー2は誰だ-室長より活躍の首席」との記事が載った。
大統領府の民情首席秘書官である文在寅(ムン・ジェイン)氏=現大統領=が随所で指導力を発揮し、秘書室長の影が薄いという内容だ。これに先立ち、秘書室長の文氏が、文在寅氏の民情首席秘書官への起用に反対していたとの情報が流れた。「同じ文でも、喜相と在寅の関係は良くない」というのが、韓国政界の常識だった。
朴槿恵(パク・クネ)政権時代の14年、文氏にスキャンダルが発覚した。大韓航空の趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長に頼み込んで、義弟を大韓航空の米国関連会社に就職させた。義弟はまったく勤務することなく、7年余の間に74万ドル(約8180万円)の給与を受け取った。分配比率をめぐり、怒った義弟がチクったとされている。
ところが、このスキャンダルは、与党代表が「個人的問題で他党首脳を攻撃するのは適切ではない」という不可解極まる論法を振り回して、火を消してしまった。「韓国の議員は保守派も進歩派もみんな同じようなことをしているから」とは、韓国人ジャーナリストの解説だった。
危ないところを朴与党に助けられた。文在寅主流からすれば、それだけで評価ゼロだが、文在寅政権が発足するや、対日特使の大役を与えられ、ついには国会議長に。冷たい関係から“腰巾着”に変身していたのだ。こうした経緯からすれば、彼の言動は「大統領様の御心」を忖度(そんたく)したものにならざるを得ない。
文氏は18年12月、わざわざ記者会見を開き、「元慰安婦が望むのは金ではなく、安倍首相の謝罪だ」とブチ上げた。が、日本側の反応はほとんどなかった。それで今回は「天皇陛下の謝罪」に踏み込んだのか。金銭スキャンダルで薄汚れた“腰巾着”が、国家間の合意の意味も理解できないまま何を言おうと、韓国政府が合意に基づく財団を解散しようと「不可逆的合意」が現にある事実は動かない。
日本政府が深追いして「やはり合意はなくなったのだ」という意識領域に入るのは得策でない。この「恨(ハン=うらみ)」は、しっかり帳簿に付けておき、いずれ対韓制裁する際に上乗せ算定するのがいいだろう。
■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。著書・共著に『悪韓論』(新潮新書)、『崩韓論』(飛鳥新社)、『韓国リスク』(産経新聞出版)など多数。
ソース:zakzak<韓国国会議長の暴言は“大統領様”を忖度? 「戦争犯罪の主犯の息子」異常発言の背景を専門家が分析>
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/190214/soc1902140005-n1.html