中国人の内部分裂が国家を揺るがす悲惨な状況に突入している　選民意識の広がりで地域対立が激化

中国　偏見が生む地域差別
(グローバルViews)
大連支局　原島大介

中国で出身地を巡る「地域差別」が深刻な問題となっている。国土の広さから地域間の人的交流が乏しいうえ、インターネットでの情報拡散が偏見を助長。経済格差によるゆがんだ選民意識も重なり、企業の採用や結婚相手の選定にも影響を及ぼしている。中国共産党は民族間の問題には統制を強めてきたが、地域差別では後手に回る。問題を放置すれば社会崩壊にもつながりかねず、政府内からも危惧する声が出ている。

「どこにだって、良い人も悪い人もいる。なのに出身地で人を判断するのは許せない」。遼寧省大連に住む銀行員の男性（35）は憤る。男性は中国中東部の河南省出身で、大学生になって地元を離れた。そこで大学の同級生に「河南人はみな詐欺師だ」とからかわれ、自分の故郷が嘲笑の対象であることを知った。

続く
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO36750900S8A021C1905E00?unlock=1&s=1