貿易戦争の激化で欧米以外の海外企業も中国から撤退を開始 逆に恩恵を受ける企業もあり
アジア企業、中国から東南アへシフト 貿易戦争に対応
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35769450W8A920C1FFE000/
米国と中国による貿易戦争の激化で、工場や部材・商品の調達先を中国から他のアジア諸国へ移すアジア企業が相次いでいる。香港の大手商社、利豊は東南アジアや南アジアからの調達を拡大し、台湾電源装置大手の台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)はタイでの生産拠点確保を狙い関連会社を子会社化する。人件費上昇に伴って進んでいた中国からのシフトが、対米輸出の追加関税回避を新たなきっかけに拍車がかかっている。
利豊はウォルマートやメーシーズを含む米小売り大手に衣料品や家庭用品を供給している。既に中国からの商品調達率は2016年の54%からいまでは49%に低下している。馮裕鈞・最高経営責任者(CEO)はこの傾向が続くとみている。■「リスク分散するよう助言」 衣料品はバングラデシュやベトナム、インド、パキスタン、フィリピンなどから、靴はベトナムやインド、インドネシア、欧州などから調達。馮氏は現時点で「中国に代わる存在はない」としつつも、「中国への依存度を減らそうとする流れがあり、(我々は)取引先にリスクを分散するよう常に助言している。貿易戦争は数ある引き金の一つにすぎない」と話す。
トランプ米大統領は24日、約2000億ドル(約22兆円)相当の中国製品に10%の追加関税を課す対中制裁関税の第3弾を発動した。年明けに税率を25%に引き上げる。衣料品や日用品など消費財が初めて対象になった。中国も即座に反応し600億ドル相当の米国製品に5~10%を上乗せする報復関税を即日実施した。
生産移転の動きはハイテク関連業界で先行している。米アップルのiPhoneやノートパソコン「MacBook」の部品を供給する台達電子工業は、インドと東欧のスロバキアに加えタイでも生産拠点を確保するため関連会社デルタ・エレクトロニクス・タイランドを子会社化する。
「米中の貿易戦争が始まり、地政学的環境は不確実性に満ちている」と語るのは台達の海英俊・董事長。「米国による340億ドルの関税第1弾の影響が既に及んでいる」
