中国の私募ファンド業界が崩壊局面を迎えて投資家が右往左往 業界の劇的縮小が予測される
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-28/PFQXYZ6JTSE801
→不安定な市場、リスクテークに対する規制強化が足かせに
→投資家は痛みに備える必要、業界自体は再編に向かう-許アナリスト
中国で私募ファンドの成長ペースが約3年ぶりの低水準に落ち込んでいる。不安定な株式相場に加え、リスクテークに対する中国当局の規制強化で打撃を受けており、今後さらなる悪化が予想される。
中国証券投資基金業協会のデータによると、私募ファンドの運用資産は8月に100億元(約1650億円)増加し、12兆8000億元となった。私募排排網によれば、新商品設定はここ10年余りの最低に落ち込んだ。業界規模は3年で3倍余りに拡大した。
マッコーリー・キャピタルのアナリスト、許世德氏は、適格投資家が最大200人に制限されている私募ファンドは、株価下落でリスクテーク意欲が薄れるとともに、当局が適格要件を引き上げたことから、買い手を引き付けるのが難しい状況になりつつあると指摘。投資家は痛みを覚悟する必要があり、業界自体も再編に向かっていると付け加えた。
台湾在勤の許氏は「私募ファンドのブームは終わり、崩壊が始まったばかりだ」と指摘。ファンドが清算またはデフォルト(債務不履行)する際、規制当局は銀行など販売業者による顧客救済を阻止するため、「投資家は自ら損失を吸収しなければならない」と語った。
私募ファンドにはヘッジファンドやプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資ファンド、ベンチャーキャピタルファンドなどが含まれる。中国証券投資基金業協会のデータによれば、運用資産が100億元を超えるファンドは233社にすぎない一方、5000万-5億元規模のファンドは6000社余りに上っており、業界再編が必要となる公算が大きい。
