韓国自営業の借金総額が日本の国家予算を突破してしまう その多くが返済困難な内容だと判明
山を越えてまた山だ。家計負債に苦心している金融当局の前にまた別の思わぬ伏兵が姿を見せた。急増する自営業者の借入だ。自営業者の借入残額は今年に入ってすでに600兆ウォン(約60兆円)を突破したものと推算される。1500兆ウォンに肉迫した家計負債に続き金融市場を揺るがしかねないもう一つの「時限爆弾」だ。
自営業は韓国経済の最も弱い部分の一つだ。景気鈍化や最低賃金引き上げなどの影響で自営業の不健全化はさらに加速している。負債が増える状況で所得が減少したり、利子上昇によって借金の返済が不可能になったりすれば金融不良につながるおそれがある。
伏兵は恐ろしい。実体を把握しにくいせいだ。自営業者の借入がそうだ。自営業者は事業者登録をした後、個人事業者融資を受けたり、個人資格で家計融資を受けたりすることができる。個人事業者としても個人としても借入が可能だということだ。
金融監督院が自営業者の個人事業者融資(企業融資)に家計融資(個人融資)を合算して規模を推定しているのはこのためだ。もちろん限界はある。個人事業者融資を受けなかった自営業者の家計借入は「隠れた借金」として統計には表れてこない。
それでも自営業者融資にはすでに警告灯が灯っている。金融監督院によると、昨年末基準の全金融圏の自営業者融資規模は598兆ウォンと推定される。2016年521兆ウォンから1年で77兆ウォン増えた。韓国銀行が発表した今年1~7月の銀行の個人事業者融資増加額(15兆8000億ウォン)だけを計算に入れても、自営業者融資はすでに600兆ウォンをはるかに超えると予測される。融資増加は代表的な自営業種である卸・小売、宿泊、飲食業が主導した。韓国銀行によると、4-6月期に同業種に対する融資は1-3月期に比べて6兆ウォン増えた。増加幅では過去最大だ。
緊張したのは金融当局だ。崔鍾球(チェ・ジョング)金融委員長は29日、ソウル預金保険公社で開かれた「金融発展審議会全体会議」で「自営業者の負債管理を強化する」と明らかにした。戦うべき敵は分かっているが、何の準備もなく刀を抜けるような相手ではない。景気不振に負担となる各種制度導入で自営業者の免疫力が落ちてしまったからだ。
崔委員長はこの日、「自営業者融資には相反する2つの側面がある」とし「融資をしなければ自営業者は非常に厳しい状況に置かれ、かといって融資をすれば不健全化する可能性があり、妥当なラインを探すのが容易ではない」と明らかにした。
自営業者融資の実態を見ると、当局の悩みを推測することができる。金融監督院によると、2016年末基準の自営業者1人当たりの平均借入額(3億2400万ウォン)は非自営業者(6600万ウォン)の5倍に達する。その質も良くない。韓国金融研究院によると、昨年9月基準の全体個人事業者融資の借主のうち、利子負担の大きい第2金融圏の借主比重は66%にもなった。
さらに大きな問題は自営業者の償還能力だ。2016年末基準で自営業者の借主(160万2000人)のうち、個人事業者融資と家計融資を同時に受けた人は全体の81%(129万人、440兆ウォン)だった。彼らは個人事業者融資だけを受けた借主に比べて平均借入額も多く、低信用および高金利融資、潜在滞納者借主比率も高かった。返済能力が落ち、不健全化する可能性も高いという意味だ。
業種別の温度差も大きい。自営業者融資の増加を主導するのは全体の40%を占める賃貸事業者融資だ。老後所得を目的に商店街型不動産売買を行う人々が増えたためだ。賃貸事業者融資は担保比率が80%を越えて不良リスクが低い。そのため滞納率を低くして全般的な融資健全性を実際よりもよく見せようとする危険もある。「統計錯視」だ。
LG経済研究院のチョ・ヨンム首席研究委員は「自営業者融資は家計融資に比べて敷居が低いため急増した」とし「賃貸事業者融資効果を取っ払って見ると、飲食・宿泊業など生計型自営業融資の不健全化はすでに表面的な数値よりも深刻化している可能性もあるだけに、当局がより注意深く見なければならない」と指摘した。
ソース
[? 中央日報/中央日報日本語版] 2018年08月31日15時45分
https://japanese.joins.com/article/645/244645.html?servcode=300§code=300