首相が慰安婦像に跪くまで日本は独立できないと韓国人弁護士が主張 道徳的良心の悟りが必要である
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▲ イ・オグン弁護士(法務法人顧問/淑明女子大学校碩座教授)
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1943年4月19日、ポーランドの首都ワルシャワ。逾越節(過越=Passover)を迎えたユダヤ人がナチスの占領軍に抵抗して決起、約5万6000人が逮捕されて約7000人が虐殺された。終戦後、その悲劇の現場にはユダヤ人犠牲者の慰霊塔が建てられた。それから27年後の1970年12月7日午前7時、冷たい冬の風を受ける一人の老紳士が頭を下げ、ユダヤ人犠牲者の慰霊塔の前に跪(ひざまず)いた。その紳士はドイツの総理、ヴィリー・ブラントだった。ドイツがポーランドで犯したユダヤ人虐殺のホロコーストを謝罪する席だった。
当時、ブラントは一言も口にしなかったが、世界のメディアは、「跪いたのは一人、立ち上がったのはドイツ全体」と称賛を惜しまなかった。その後ポーランド政府はワルシャワ市内にブラント広場を造成し、跪いたブラントの姿を刻んだ銅版の記念碑を建てた。
ドイツの道徳的反省はブラントの跪き(謝罪)だけに止まらなかった。2013年、アンゲラ・メルケル総理はナチスの強制収容所だったミュンヘン近隣のダッハウ追悼館を尋ね、「ドイツ人の大半がアウシュヴィッツの大虐殺に目を背けた事に対し、深い悲しみと恥ずかしさを感じる」と改めて懺悔した。
1級戦犯の位牌を陳列した靖国神社に総理と閣僚が集団参拝する日本とは、あまりにもかけ離れた姿である。ドイツの繰り返された謝罪は遂に、イスラエルとヨーロッパ被害国のはらわたが煮えくり返る怒り、わき上がる憎悪を静めた。アリエル・シャロン元イスラエル総理は、専用車を米国産のケディラク(Cadillac)からドイツ産のペエムブェ(BMW)に替えた道徳性を回復したドイツは、懺悔の光で良心の借金を返済したのである。
日本も過去に謝罪の談話を発表した事があった。中曽根元総理は韓日強制併合が「強圧的な背景で締結された」と自白して、村山元総理も、「日本が過去に韓国国民に耐え難い苦痛と悲しみを与えた事に対し、深い反省と遺憾を表明する」と謝罪した。しかし、それもつかの間、日本の高官と有識者は植民地近代化論を持ち上げ、過去の罪を正当化する態度を取り続けている。
「韓国の植民地化は歴史的に必然」、「独島は日本領土」、「従軍慰安婦ではなく、単なる公娼」などの歴史歪曲の妄言も、休む間もなく繰り返す。もちろん先代の罪を恥じる良心的な日本人も少なくない。嫌韓デモ隊の前を反嫌韓デモ隊が阻止していたりする。問題は国粋主義的政治家と彼らを盲目的に支持する不道徳な極右勢力である。暗い迷妄に捕らわれた彼らには、道徳的良心の悟りが必要である。
現在の北東アジア情勢は、北朝鮮の核廃棄問題でちょー緊張状態だ。 北朝鮮と米国が非核化交渉をしているが、完全かつ永久的な核廃棄に対する北朝鮮側の真意は確認する手段がない。さらに北朝鮮の背後に中国の後ろ盾があり、交渉を事実上牛耳っているという疑いは今や秘密でもない。アメリカとの対立で北朝鮮を前哨基地にしようとする中国と、これを支援するロシアなどの旧共産圏の全体主義独裁体制、彼に立ち向かって中国とロシアのアジア覇権を阻止しようとする韓・米・日の自由民主主義共和体制、この二つの勢力が朝鮮半島で火花が散る新たな冷戦を展開している。この冷戦はいつ熱戦に切り替わるか分からない不安な危険性を抱いている。韓・米・日の結束がこれまで以上に切実に求められる時期だ。しかし韓国と日本の間の深い溝はなかなか埋まる兆しが見えない。様々な原因があるが、最大の要因は過去に対する日本の不誠実な態度にある事は明らかである。
光復とは闇から脱して光を取り戻す事、束縛から解放されて自由を回復する事だ。外敵の侵略から解放された自由は主権の光復で、侵略の罪から解放された自由は良心の光復である。ヨーロッパの侵略国ドイツは道徳の光に跪いた良心の光復で、ホロコーストの頚木を乗り越えた。アジアの侵略国である日本が反文明的犯罪の歴史から解放される事を願うのなら、遅ればせながら道徳の光の下にひれ伏して麻痺した良心を呼び起さなければならない。日本の総理が平和の少女像の前に懺悔して跪いた日、日本はようやく良心の自由を得られるはずである。その日が日本の光復節だ。
ソース:アジアトゥデー(韓国語)
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