関西人「暑いな…冷やしあめ飲むか」関東人「冷やしあめ?何それ」
ひやしあめとみかん水(pcs34560さん撮影、Wikimedia Commonsより)
NHK連続テレビ小説『わろてんか』の1シーンが、ネット上に波紋を広げたことがあった。
2018年3月まで放送されていた『わろてんか』、すでに「めちゃ懐かしい......」と感慨にふける人もいるかもしれない。
この作品で17年11月21日、「冷やしあめ」で集客するシーンが登場した。
「冷やしあめ」は麦芽水あめを湯で溶き、生姜の搾り汁やおろし生姜を加えた飲料で、関西ではよく飲まれている。
夏は暑気払いとして、冷やして飲むのが一般的だ。
『わろてんか』の舞台は大阪なので、きわめて自然な夏の風物詩が描かれたわけだ。
ところが、「冷やしあめって、何?」というツイートが殺到し、一時トレンド入りする騒ぎとなった。
全国的には「冷やしあめ」を知らない人がいかに多かったか、が証明されたわけだ。
そこでJタウン研究所は半年以上にわたって、「『冷やしあめ』、飲んだことある?」をテーマに、都道府県別のアンケート調査を行った(総投票数851票、2017年11月21日~18年6月5日)。
はたして、その結果は――。
■「飲んだことない人」が過半数越え?
全投票をあわせた数値は、「飲んだことある」が383票(45.0%)だ。
「名前は知ってる」は246票(28.9%)、「まったく知らない」が222票(26.1%)。
下の円グラフをご参照いただきたい。
結局、飲んだことない人が過半数を占めたわけである。
『冷やしあめ』飲んだことある?」調査結果(Jタウンネット調べ)*投票がなかった県は、白地のままとした。
都道府県別に見てみよう。
各県ごとの最多得票を色分けすると、上のような日本地図になった。
「飲んだことある」派のクリーム色は全国に広がっているのだが、とくに西日本はクリーム色優勢だ。
滋賀県(75%)、京都府(86.4%)、大阪府(78.2%)、兵庫県(78.3%)、奈良県(100%)、和歌山県(75%)など、関西地方は「飲んだことある」派が圧倒的に優勢だ。
「飲んだことある」派は、静岡県(45.5%)、愛知県(37.5%)、三重県(44.4%)といった東海エリアや、鳥取県(50%)、岡山県(77.8%)、広島県(63.6%)、山口県(100%)と、中国エリアでも強かった。
香川県(50%)、高知県(100%)など、四国にも見られる。
また北海道(36.8%)、岩手県(75%)など、北日本の中に「飲んだことある」派が見られるのは、やや意外だった。
千葉県(66.7%)、東京都(39.2%)など、関東地方にも「飲んだことある」派の存在は確認できた。
一方、「まったく知らない」派のグリーンは、群馬県(60%)、神奈川県(40.9%)、長野県(60%)、新潟県(75%)など、関東信越にかたまっているように見える。
宮城県(50%)も「まったく知らない」派が多かった。
また「名前は知ってる」派のピンクは、青森県、秋田県、福島県、富山県、石川県に見られる。
結局、「まったく知らない」派と「名前は知ってる」派を合わせると、飲んだことない人たちは、東日本に集中していることが読み取れる。
つまり、NHK『わろてんか』に「冷やしあめ」が登場して、「冷やしあめって、何?」とパニックになった人たちは、東日本に多かったことが推測できる。