【悲報】「神磯の鳥居」死亡事故続発…原因はインスタ映え狙い?
海辺に立つ鳥居や朝日がつくり出す幻想的な風景。いわゆる“インスタ映え”を求めて人気が急上昇する観光地で、いま、痛ましい死亡事故が起きている。事故につながる危険性とは─。
◇
茨城県・大洗町の観光スポット『神磯の鳥居』。海岸にそびえ立つ鳥居と朝日が幻想的な風景を生み出す。日中も、この鳥居を見ようと多くの観光客が訪れていた。
観光客「海の中にある鳥居はいいなと思って」「風光明媚(ふうこうめいび)で、すがすがしい」
最近では、“インスタ映え”を狙って撮影に訪れる人も多いという。しかし、いま、そんな人気急上昇中の観光地にある異変が。鳥居に近づこうと滑りやすい岩場を歩く観光客が増え、今年に入って水難事故が相次いだのだ。
先月21日には、海に転落した中学生の長男(12)を助けようとした母親(53)が溺れて死亡。今月4日にも、写真撮影のために鳥居に近づいた際、岩場から転落した会社員の男性(30)が、死亡した。
◇
海岸では、鳥居に行くまでに大きな岩がいくつもごろごろとある。足場が悪そうに見え、岩と岩の間隔がかなりあるところも。岩場に近づいてみると、足場はかなり悪く、岩はゴツゴツしていて、バランスが取りにくいと感じられた。一見、水位は低いように見えるが、海が荒れると波が押し寄せ、危険だという。
2度目の事故が起きた翌日、大洗町役場は、岩場に登らないよう注意を促す看板を設置した。
大洗町役場 小沼敏夫・商工観光課長「一度(海に)落ちてしまうと、冬場で寒いときだと危険。啓発の看板を立てておりますので、ルールにのっとって楽しんでいただきたい」
◇
観光の“シンボル”をめぐる問題に、地元の観光協会の思いは複雑だ。
大洗観光協会 大里明・会長「最近だとインスタ映えするとかもあってか、たくさんの方が写真を撮りに来られる。危険な場所ですので、あまり近寄らないでいただいて、遠くから眺めていただくのが一番かと思います」
看板設置後は幸い、水難事故は起きていないということで、町などは今後の行楽シーズンに向け、引き続き注意を呼びかけたいとしている。
波に揉まれたら簡単には上がれんよ