【悲報】婚活男性さんブチ切れる
「内田さまの電話は毎回長くて、なかなか切ろうとしない。その中で執拗にいろいろな質問をされて、安西はそれがつらかったようです」
その夜、則雄に“交際終了”が来たことと“お断り”の理由を電話で伝えた。すると彼は、あきれたような声を出した。
「えーっ、なんですか、その理由!?確かに電話をかけていたのは、僕ですよ。彼女からかかってきたことはない。でも、執拗にいろんな質問されたって??それを言われるのは心外だな。電話では彼女が7割方しゃべって、僕が話をしていたのは3割程度だったと思いますよ」
「別れ際に、『またぜひお会いしたいです』と言ったら、『はい、こちらこそ。会社の予定を見て、ご連絡を入れますね』と言われたんです」
それからも毎日メールをやり取りしていた。ところが、その3日後の水曜日を境にメールの反応が急に鈍くなった。
「レスが、2日おいて金曜に来ました。『仕事が忙しくなってしまったので、今週末はお会いできなくなりました』という内容でした。態度も急によそよそしくなって」
そして、週明けに交際終了が来た。
「本田さんには、本命がほかにいたんだと思うんですよ。僕はキープだった。おそらく本命とうまくいったので、僕とは交際終了にしたのでしょう」
母親は高給取りだったが、体罰を肯定する人だったのでよくたたかれて育った。両親は仲が悪く、智美が中3のときに一度離婚をしたのだが、高2のときによりを戻した。再婚してみると、また互いを罵り合うケンカの日々。
そんな家から飛び出したくて、大学を卒業してすぐに50代の男性と結婚した。ところが結婚をしてみたら、その男性は父親そっくりな人で、彼の言うことに逆らうと、暴力的な言葉を浴びせるモラハラだった。
最初は言葉だけだったが、暴力も振るわれるようになり、2年で離婚をした。
則雄は、私に言った。
「彼女は、ご両親にも結婚相手にも恵まれなかったから、こちらの愛情をはかろうと、喜ばせるようなことを言ったり、
ほかの男性の影をチラつかせて嫉妬心を煽ろうとしたりするんだなと思ったんです。
そして、なによりもびっくりしたのが、その日の帰り道、駅まで送ろうとしたら、『今夜は帰りたくない』って言ってきたんですよ。
僕だって男ですから、据え膳食わぬはなんとやら。だけど、結婚相談所の出会いである以上、体の関係になったら成婚。
責任を取らないといけない。こんな支離滅裂、情緒不安定な女性と自分は結婚できるのかと考えたら、その夜泊まることには二の足を踏んでしまいました」
そこで、則雄は、「相談所の規約は知ってるよね。今夜はひとまず帰ったほうがいいよ」と諭して、そのまま電車に乗せた。
すると、別れ際に智美が言った。
「女に恥をかかせるなんて、男らしくない!」
そして翌日、智美の相談室から、「交際終了」が届いた。