大塚代表の就任で『民進党の崩壊が逆に進行する』皮肉な事態が発生。内部で対立が激化している模様
民進党の新代表が無投票で大塚耕平氏に決まったのは、リベラル系の一部が選挙戦回避に動いたためだ。衆院選で露呈した共産党との連携の是非をめぐる亀裂が、参院側に及ぶのをひとまず防いだ格好だ。だが、潜在的な対立が続くことに変わりなく、民進党は再分裂含みで再出発する。
大塚氏を代表に押し上げた原動力は、参院に多くの組織内議員を有する旧民社党系グループだ。連合と同様、共産党との連携には否定的。大塚氏は記者会見で、共産党との協力に関し、「なかなか難しいという意見がこれまであった」と指摘。立憲民主党、希望の党との関係については「等距離だ」と述べたものの、党内では憲法改正を掲げる希望寄りとの見方が支配的だ。
共産党との連携を容認するリベラル系議員には、蓮舫元代表を推す動きがあった。大塚氏が党運営の主導権を握れば、地方組織や100億円超とされる党の資金が希望に移るとの警戒感からだ。蓮舫氏に近い議員は「大塚代表になれば左派切り捨てになる」と語っていた。
ただ、リベラル系も一枚岩ではなく、選挙戦突入を懸念する向きもあった。7月の東京都議選敗北で引責辞任した蓮舫氏の再登板に「国民の理解が得られない」(中堅議員)との声が上がったことも踏まえ、リベラル系の一部は蓮舫氏の推薦人確保に協力せず、結果として同氏は出馬を断念した。
大塚氏は31日の両院議員総会で「皆さまと共有したいことは次の衆院選で(民進、立憲、希望)3党を中心に政権交代を実現するという目標だ」と述べ、結束を呼び掛けた。だが、会見で2年後の参院選に民進党公認候補を擁立するか問われると「確定的なことを言う段階ではない」と言葉を濁した。
今後の焦点は、執行部人事に移る。大塚氏の敷く布陣次第では、いったんは抑えた確執が表面化する可能性もある。(2017/10/31-19:48)