日本の異常な大学講義が『外国人から徹底批判を喰らう』笑えない展開に。勉強させていただいている立場だぞ
一橋大学の学園祭「KODAIRA祭」で予定されていた、作家、百田尚樹氏の講演会が、一部の在学生と、彼らに呼応した外部勢力による反対運動で中止に追い込まれた。
一橋大学は東京都国立市にキャンパスがあり、商、経済、法、社会学部の4つの文系学部からなる、比較的小規模な国立大学である。
政財官界にそうそうたる人材を輩出してきた名門だが、明治末期や戦前には、東京帝大に肩入れする文部省や大蔵省に対抗し、教職員だけでなく学生と同窓会も一丸となって闘い、商業学校から大学への昇格や、存続を勝ち取った歴史を持つ。
良い意味での「リベラルな校風」であり、石原慎太郎元都知事や田中康夫元長野県知事がOBというのも、分かる気がする。
私は昨年12月、一橋大学OBが中心メンバーの「新三木会」に招かれて、千代田区一ツ橋にある如水会館で講演した。質疑応答や懇親会の雑談を通じて、OBの方々の優秀さをよく知っている。
だから、今回の件は名門大学の校名や伝統に、少数の在学生が泥を塗った残念な事件と捉えている。
民主主義国家に必要不可欠な人権として「表現の自由」がある。米国では合衆国憲法修正第1条がこれを保障し、日本国憲法では第21条1項に、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」という条文がある。
民主主義は、人間の意見は必ず対立することや、人間は必ず間違いを犯すことを前提にした制度である。対立や間違いを修正して前に進むには「表現の自由」を保障し、誰もが自由に主張や議論ができる環境が必要なのだ。
自分の意見は声高に叫ぶが、他者の発言機会は奪っても構わないという考えは、独裁者や全体主義者と同じであり、民主主義国家では、最も忌避すべき幼稚な考えだ。
報道によると、百田氏の講演に猛烈に反対した勢力に、「反レイシズム」を掲げるNGO(非政府組織)があるという。代表は同大大学院に籍を置く学生だ。
結社の自由は尊重するが、国立大学で学ぶ学生は、私を含む日本の納税者のおかげで「勉強させていただいている立場」と言える。「表現の自由」を奪うような活動はいかがなものか。
一橋大学のリベラルな校風が、特定の思想勢力に悪用されている印象を受けた。
一橋大学に限らず、大学は学生を日本の国益に貢献する人材に育てる場所だ。中には、入学式や卒業式で「日の丸掲揚」や「君が代斉唱」を行わない大学もあると聞く。主客転倒、愚の骨頂である。
■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170610/soc1706100001-n1.html
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百田尚樹氏(右)と、一橋大学