『韓国は民主国家と呼ぶに値しない』と専門家が”ブチギレ状態”で罵倒中。日本にまでとばっちりが来る
その昔、旅先の宿で隣室から朗々と謡曲が流れてきた。なかなかうまい。「止めてみせようか」と謡(うた)い始めたのは、時の観世大夫である。隣は水を打ったようにしんとなった。自分より秀でた腕前に驚いたらしい。
▼後日、別の宿に移ると、隣から下手な謡曲が聞こえてきた。止めてください。水を向ける弟子に、観世は首を振る。先日のは達人だった。今日の人は他人の巧拙がまだ分からない。うっかり謡い出そうものなら「負けん気を出して、声を張り上げるに違いない」と。
▼話術も同じ。独善は慎め。エッセー『話道の泉』でこの挿話に触れた徳川夢声が説いている。身につまされる話ですね、そう思いませんか…。熱情にのぼせる隣人の耳には、届かぬ説法だろう。「国民情緒」とはかくも人の理性を狂わすものかと鼻白む思いがする。
▼韓国・朴槿恵(パク・クネ)大統領の罷免は予見できたとして、憲法裁判所の裁判官全員が「弾劾妥当」と声をそろえたのは意外だった。世論の約8割が弾劾を支持し、「法より情」の圧力が国の左右を決める。異質な怪物が威張る隣国を、民主国家と呼ぶことに違和感を覚える。
▼隣人の変調に、北朝鮮は手をたたいていよう。対北融和と反日色の濃い左派系の有力者が支持率で抜き出ている。大統領選の行方しだいで、親北政権の誕生も、慰安婦問題の解決に向けた一昨年の日韓合意が白紙に戻る恐れもある。事は「わが国の危機」でもある。
▼韓国には声で敵を討つという意味の「声討」なる言葉があるらしい。感情に任せてがなり立てる街頭の声は、国のトップを討ち取った。理性の及ばぬ国情を前に「目を覚ませ」と道理を説くのか。観世流の静観を決め込むべきか。始末の悪い“隣の謡曲”に日本の応手が悩ましい。
http://www.sankei.com/column/news/170312/clm1703120004-n1.html
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