大阪府の新ルールが『朝鮮学校に甚大な被害を与え』関係者が火病発症。裁判所からは門前払いを喰らう
「慟哭(どうこく)、天に達す」。全面敗訴に終わった判決の後、朝鮮学校の関係者は悔しさに声を震わせながら、用意したコメントを読み上げた。大阪府下で初中高級学校など10校を運営する学校法人「大阪朝鮮学園」(大阪市東成区)が、補助金を打ち切った大阪府と大阪市に、その取り消しなどを求めた訴訟。
4年以上にわたる審理の中で、学園側は「朝鮮学校だけを狙い撃ちにした差別的政策だ」と訴えてきたが、大阪地裁は1月26日の判決で一連の主張をことごとく退けた。かつて多くの日本人を拉致した北朝鮮を暴力団になぞらえ、補助金の見直しを主導した当時の行政トップ、橋下徹氏はツイッターで「きっちりとしたルールを作った」と妥当性を強調した。学園側は「子供たちの夢、未来はどうなるのか」と反発を強めており、闘争は控訴審に持ち込まれる見通しだ。
橋下氏の4要件
「北朝鮮という国と暴力団というのは基本的には一緒だという風に思っていますから」
「暴力団が経営している学校に関して、助成とか打ってたら府民の皆さん、文句言わないですかね」
「不法なことをやっている北朝鮮という国家と学校が、どういう関係を有しているかについてはきちんと詳細に確認します」
平成22年3月、府知事だった橋下氏は、北朝鮮や在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)と朝鮮学校との関係について、こんな問題提起を行い、朝鮮学校に補助金を交付してきた従来の方針を見直す意向を打ち出した。
時の民主党政権はその年の4月から、高校授業料無償化制度をスタートさせようとしていた。そんな中、中井洽(ひろし)拉致問題担当相(当時)が朝鮮学校を対象から外すよう川端達夫文部科学相(同)に要請していたことが明らかになり、朝鮮学校への公金投入のあり方が全国的にも議論になっていた。
そこで橋下氏は自ら府内の学校を視察したうえ、交付の条件として新たに4つの要件を提示した。
(1)朝鮮総連と一線を画すこと(2)北朝鮮指導者の肖像画を教室から外すこと(3)日本の学習指導要領に準じた教育活動を行うこと(4)学校の財務状況を一般公開すること-。これがすべての始まりだった。
指導者肖像画は「アイデンティティー」
その約1年後、学園側は適正な学校運営を進めるための「基本方針」を発表し、ホームページに財務情報を公開。さらに「特定の政党や政治団体の干渉を受けることなく学園の自主性を堅持する」と言明した。
故金正日(キム・ジョンイル)総書記らの肖像画については、そもそも初中級学校には掲げていないとしたが、高級学校においては「祖国への想いはアイデンティティーの確立において重要なものであり、個々人の想いにかかるデリケートな事柄」であるため、その扱いは自らで決める、と府に回答した。結局、学園は高級学校については補助金を申請しなかった。
一方、残り9校については、府は4要件を満たしたと判断し、22年度分計約8700万円を学園側に交付した。
その後、府議会で補助金の是非について協議する中で、今度は「教室だけでなく職員室からも肖像画を外すべきだ」との意見が出された。学園側は翌24年3月の理事会で初中級学校の職員室から撤去することを決め、改めて23年度分の補助金を申請した。
この間、府は橋下氏が先に提示した4要件をより一般的な形(たとえば朝鮮総連と一線を画す→特定の政治団体と一線を画す)にして交付要綱を改正。学園側からの申請に応じて補正予算案提出の準備を始めるなど23年度分も交付に向けた動きが進んでいた。
そのさなか、新たな問題が持ち上がる。学園の生徒が北朝鮮で行われた「迎春公演」に参加していたことが明らかになったのだ。
永遠の忠誠
きっかけは産経新聞の報道だった。
朝鮮学校の生徒らが同公演で、金総書記や現指導者の金正恩(ジョンウン)氏に永遠の忠誠を誓っていたことを報じた。そのプログラムの中には「毎年、教育補助費(補助金)や奨学金を送ってくださり、私たちを守ってくださった金正日将軍様を永遠に忘れません」とのセリフを言う場面もあった。
http://www.sankei.com/west/news/170207/wst1702070004-n1.html
(>>2以降に続く)