日本の対韓制裁が『韓国経済に何のダメージも与えず』逆に復活し始めた模様。胡散臭すぎると日本側絶句
数々のスキャンダルを受けても株式やウォンは順調に推移をしている
韓国では大統領が弾劾を受け、国内最大財閥の事実上トップが政府からの見返りを目的に贈賄を行ったとして捜査を受けている。しかし低調が続いた韓国市場が突如勢いづく中で、これら事態を受けても投資家たちは強気姿勢を維持したままだ。
昨年の秋に汚職スキャンダルが浮上して以降、韓国総合株価指数(KOSPI)は18カ月来の高値まで上昇。外国人投資家は韓国の株式市場に10億ドル(約1143億円)を投入したが、これは域内では日本市場に次ぐ額になる。また調査会社のサクソ・マーケッツによれば、韓国の債券市場にも外国資本が12億ドルも流れ込んでいる。2017年に入り、韓国通貨ウォンはロシアのルーブルに次いで世界2位の上昇率を見せている。
また韓国政府は10年債を先週10億ドル相当発行したが、指標の米財務省証券10年債とのスプレッドは予想よりも低かった。18日には政府系の韓国輸出入銀行もニューヨークで15億ドル相当の債券を発行したが、応募超過のため予測よりもタイトな発行設定となっている。
数カ月にわたり検察の標的となっているサムスン財閥も、スキャンダルをものともしない状況が続く。スマートフォンを製造するサムスン電子の株価は、昨年1年間で約65%も上昇。サムスン財閥の事実上トップである李在鎔氏への逮捕状請求を裁判所が認めないと発表した19日には、さらに1.5%の上昇を見せた。20日にはKOSPIが0.3%下落する中で、サムスン電子も0.7%下げた。
メディアには過激な見出しが並ぶ中でも、投資家たちは韓国株が割安だと判断。また同国の基盤も比較的安定していると見ている。国際通貨基金(IMF)は今年の世界経済成長率が去年の3.1%から3.4%に達すると推測するが、韓国市場も回復基調が見られる世界経済に後押しされるとする見方もある。
韓国の大企業が輸出に依存することもあり、同国は世界の貿易動向の行方を占う立場にあるとされることが多い。しかしドナルド・トランプ米大統領の就任によって保護主義が勢いを増す可能性が懸念される中でも、韓国市場は影響を受けていない。昨年12月に韓国の輸出額は2カ月連続の増加を記録。ここ2年にわたり輸出は低迷をしていたが、今年こそ回復を見せるのではないかと期待が寄せられている。
「政治や企業に関する問題で話題性の高いネタは投資家も好きだが、通貨市場は実際には国際的な要因によって動くことがほとんどだ」とBNPパリバ インベストメント・パートナーズで新興国市場債券の担当をするブライアン・カーター氏は話す。
長期的に見れば保護主義などの問題が今の状況に影を落とす可能性もある。しかし香港のミレー・アセット・グローバル・インベストメンツで共同最高投資責任者を務める ラフール・チャドハ氏は、今後1年から2年の間に何かインパクトが感じられるような状況にはならないだろうと指摘する。
それ以上に鍵となっているのは、政変や大規模なデモなどが実施されているにもかかわらず韓国の政治体制が安定を見せていることだ。
チャドハ氏は「国民は明らかにシステミックリスクではないと考えている」と指摘。今の事態も「あくまでも孤立した問題であって、対処できると考えられている」と続ける。「韓国経済は高度に発達しており、体制もしっかり機能している。うまくいけば次の選挙も半年以内には行われることになる」と楽観的だ。
ウォール・ストリート・ジャーナル
http://jp.wsj.com/articles/SB11177354273695693774104582575872651643862