『韓国は亡国の道を歩み始めた』と東京新聞副主幹が”絶望的な頭の悪さ”に呆然。リアリズムを完全に忘れてしまった
長谷川 幸洋ジャーナリスト/東京新聞・中日新聞論説副主幹
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韓国の迷走が止まらない。朴槿恵大統領が職務停止中であるのに加えて、次期大統領選候補者たちは日本との慰安婦合意見直しを求めている。一方で、中国との関係も悪化し、孤立は深まるばかりだ。そんな韓国に日本は何を学ぶべきか。
(中略:過去の経緯)
韓国の行動をみて「1人では生きていけない悲しい国」とか「情けない国」と揶揄する声もある。私はそういう声に与しない。ヨソから「情けない」と言われようが「悲しい」と言われようが、それが小国の宿命であるなら、受け入れる以外にない。
私はむしろ、韓国がそれまでの中国依存をばっさり改めて、ドライに日米重視に切り替えた点を高く評価している。「半島の小国として生き残るため、常に周囲を見渡して現実主義(リアリズム)に徹しているのは大したもの」とさえ思う。プライドばかりを叫んで結果的に自滅するより、はるかに立派ではないか。韓国のしたたかな現実主義に日本はむしろ学ぶべきなのだ。
ところが、である。最近の韓国はリアリズムをすっかり忘れて、いまや亡国への道を歩み始めたように見える。その象徴が慰安婦合意の見直し論だ。唖然とさせられたのは、国連事務総長まで務めながら大統領候補になったとたんに「日本が(韓国の和解・癒やし財団に)供与した10億円は日本に返すべきだ」と唱えた潘基文氏である。潘氏は合意が結ばれた時点では合意を評価していた。ところが大統領候補になったとたん、票欲しさからだろう、態度を一変させた。
韓国が日本に10億円を突き返すとなったら事実上、合意を破棄したも同然である。そうなったら、日米韓による対中・対北朝鮮政策の連携にも暗雲が垂れ込める。こんな人物が有力与党候補の1人なのだから、あきれてしまう。
中国はどうかといえば、韓国に厳しい目を向けている。対韓制裁ともいえる動きを強めているのだ。もともと中国は韓国の超高高度防衛ミサイル(THHAD)の配備に反発し、韓国芸能人の広告出演を禁止したり、韓流ドラマの放送を禁止していた。それでも韓国の態度が変わらないとみるや、業を煮やして韓国人観光客向け臨時航空便の運行を認めなかったり、韓国企業に対する嫌がらせともとれる措置を乱発し始めた。
つまり韓国は反日に逆戻りして日本と険悪になったかと思えば、中国とも緊張状態を増している。一言で言えば、東アジアですっかり孤立化しつつあるのだ。これこそが、実は韓国がもっとも避けねばならなかった事態ではないか。
どうやったところで韓国は1人で生きてはいけない。日本もそうだし、実は米国だってそうだ。いわんや韓国においてをや、である。たとえ「情けない国」と言われようと、周辺の大国との関係を上手にコントロールして生き延びる。それが韓国である。プライドだけでは生きていけない。
だが、いまの韓国は反日を叫ぶあまり、すっかり日本に正体を見破られ、駐韓国大使も一時帰国されてしまった。世界の国もあきれている。日本は大使を急いで戻す必要はない。韓国が正気を取り戻して、事態打開に動くまで日本に留め置くべきだ。
日本が韓国に学ぶべきなのは、ついこの間まで「したたかなリアリズム」だった。残念ながら、いまの韓国から得る教訓は「リアリズムを忘れて感情に走ると何が起きるか」だ。「孤立化」である。韓国を反面教師にしなければならない。
そう指摘したうえで「韓国にリアリズムを忘れさせた勢力はだれか」という点も付け加えよう。中心にいるのは親北左翼である。中国や北朝鮮が日本の平和と繁栄を脅かす現実に目を向けず、空理空論を唱える勢力は日本にもいる。
現実主義を失えば、国を滅ぼしかねない。それが日本にとって、もっとも大事な教訓である。
ソース:現代ビジネス<「亡国」への道を歩き始めた韓国から学ぶべき教訓>
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50760