『安倍政権は日韓関係の悪化を本音では望まない』と朝日新聞が”方針転換”を訴え。なぜお前にわかる?とツッコミ殺到
韓国・釜山の日本総領事館前に「少女像」が設置された問題で9日、駐韓大使が一時帰国した。安倍晋三首相が「誠意を示していただかなければならない」と像の撤去を迫った発言に韓国野党は猛反発。合意の履行を目指していた朴槿恵(パククネ)大統領は弾劾(だんがい)訴追されており、日韓の最大の懸案となってきた慰安婦問題で打開の兆しは見えない。
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韓国政府は当初、ソウルの日本大使館近くに設置された「少女像」について、財団の事業を受け入れる元慰安婦が増えれば、関連団体と移転についても話し合う環境ができると期待していた。そのためには合意当時に生存していた元慰安婦46人のうち、「少なくとも半数以上」(外交省幹部)が事業を受け入れる必要があるとみていた。
実際、財団は「予想を上回る成果」(財団関係者)を挙げた。昨年12月23日、受け入れを表明したのは7割を超える34人だと発表した。
しかし、朴大統領が弾劾訴追されて野党が勢いづき、与党が分裂した中で、大統領の権限を代行する黄教安(ファンギョアン)首相にはソウルの少女像はおろか、釜山の日本総領事館前の少女像を撤去させる力もない。韓国政府関係者は「もう見守るしかない」と漏らし、事実上、お手上げの状態になっている。
韓国では今年、大統領選が行われる。立候補が有力視されている人のうち、日韓合意を評価したことがあるのは潘基文(パンギムン)・前国連事務総長しかいない。
潘氏の擁立を目指すのは与党セヌリ党から離党した非朴派議員。非朴派は昨年12月28日、合意について「追加協議が必要だ」と事実上、見直しを求めた。さらに野党側からは9日、合意について「潘氏には明確な立場を表明してもらいたい」と牽制(けんせい)する声も出ており、潘氏も難しい判断を迫られることになる。
一時帰国した長嶺安政・駐韓大使と森本康敬・釜山総領事は9日、外務省で金杉憲治アジア大洋州局長らと約30分間協議した。出席者の一人は、韓国政府が日本の対抗措置を「非常に遺憾に思う」としていることについて、「先に原因を作ったのは韓国であり、いかんともし難い」と困惑する。
ただ、対北朝鮮での日韓の連携は欠かせない。非難の応酬で、関係が過度に悪化することは避けたいのが日本政府の本音だ。
少女像が長期にわたって撤去されない場合、自民党を中心に追加措置を求める声が高まる可能性がある。日本による対抗措置で韓国の世論や野党の姿勢が硬化し、撤去はさらに難しくなっている。外務省幹部は「出口戦略は描けていない」と言う。(東岡徹=ソウル、武田肇)
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