元駐韓特派員が『20年前の韓国の散々すぎる実情』を赤裸々に暴露。訪韓した日本人講師は不満を漏らしていた
ミシュランガイド・ソウル版発刊について記者会見に臨むミシュラン・グループのベルナール・デルマス副社長ら関係者(ミシュランコリア提供)
韓国の首都ソウルもいよいよ美食の街として、世界に広く知られることになりそうだ。フランスのタイヤメーカー「ミシュラン」が発行するレストランの評価を星の数(☆=1つ星から最高は☆☆☆=3つ星)で表すことで知られる「ミシュランガイド」のソウル版が年内に発刊される。ミシュランコリアが3月10日、ソウル市内で記者会見を開き明らかにした。
会見ではミシュラン・グループのベルナール・デルマス副社長(ミシュランガイド事業部アジア・太平洋総括)が「ソウル版の発刊には、韓国の美食レベルが高まったことが反映されている。ミシュランガイドを通じて韓国の多様な食文化が全世界に広く紹介されることを願う」と期待を寄せた。
またミシュランガイドの国際ディレクター、マイケル・エリス氏は「ソウルの食文化は、世界最高水準まで発展している」との所感を書面で伝えた。
フランス料理の普及は20年遅れていたが…
1990年代後半にソウルに留学し、2008年から2010年にソウル特派員を経験した筆者としては、ソウルの食文化が「世界最高水準まて発展してしている」という評価に隔世の感を抱いた。
筆者がソウル特派員時代の2009年2月、その前年08年春にソウルに誕生した料理アカデミー「tsuji+1(ツジワン)」を取材したことがある。日本の辻調理師学校(辻調)と韓国のワイン販売会社が運営していた。
取材当時、フランス料理のほか日本料理や製菓・デザート料理などのコースがあり、辻調から日本人講師が派遣されていた。フランス料理コースの受講料は300万ウォン(約29万円)とかなり高めだったが、料理好きのセレブ妻やレストランのシェフなどで講座は結構賑わっていた。
本場フランスから来た講師ではなく、日本人講師からフランス料理を教わることに韓国人は抵抗を感じないのか疑問だったが、「『ミシュランガイド』の東京版が出版され、日本のフランス料理のレベルが高いことは、韓国人の間でもよく知られているので問題ない」(ワイン販売会社)とのことだった。
取材の際、フランス料理コースの辻調の講師が「韓国はフランス料理の普及が20年近く遅れている感じで食材や調理器具も手に入りにくい」と話していたのを思い出した。
当時は韓国内で、フランス料理の食材であるトリュフやフォアグラ、子羊の肉などを調達することが極めて難しかった。今はどうなっているのだろうか。筆者が韓国を離れてから、この5、6年の間に韓国のフランス料理のレベルも格段に上がっているかもしれない。
ソウル特派員当時、外信記者クラブの仲間で仏紙「フィガロ」の特派員は生粋のパリジャンだったが、休暇で東京を訪れた彼いわく「東京で食べた料理はどれも皆すごくおいしかった。東京は3つ星レストランがパリよりも多くて世界で一番。さすが世界一のグルメの街だけある」と称賛しきりだったのを鮮明に覚えている。
筆者の個人的感想を言わせてもらえば、焼き肉を含め韓国料理の高級店について言えば、外国人にも受け入れられるだけの味はもちろん、サービスや施設も持ち合わせている店も多い。
パスタ料理などイタリア料理については、1990年代後半頃のソウルでは、うどんのようにゆでたパスタに韓国風の味付けをしたものがほとんどで、パスタというより、日本のナポリタンのようなスパゲティ料理が主流だった。
最近はすっかり様変わりして、東京のイタリア料理店と遜色がない店も多い。中には、本場イタリアでも通じる店もあるかもしれない。ソウル特派員時代には、パスタに唐辛子を練り込むなど韓国らしさを出したメニューを出す店も現れ、筆者をうならせることもあった。ただ残念ながら、“アルデンテ”(パスタを歯応えが残る程度にゆでた感じ)が通じる店は今もまだまだ少ないように感じる。
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